60歳の男性。仕事中に意識障害を発症したため、救急車で搬入された。緊急手術を行い順調に経過していたが、術後7日目に突然右片麻痺が出現した。入院時の頭部CT(下図)に示す。 麻痺の原因として最も考えられるのはどれか。
正解!
不正解 答え 2
1→正常圧水頭症は歩行障害、精神活動の低下、尿失禁を3徴とする。運動麻痺の原因としては考えにくい。
2→くも膜下出血発症後72時間以降に出現し、2週間ほど持続する血管の攣縮である。意識障害、片麻痺などの局所神経症状が出現する。
3→いわゆる再出血は、くも膜下出血発症後24時間以内に生じることが多い。再出血すると予後は大幅に悪くなる。本症例は術後7日経っているため、再出血とは考えにくい。
4→脳挫傷では頭部CTにて、脳実質内に低吸収域の中に斑点上の高吸収域、血腫周囲に低吸収域を認める。また、三日月型の低〜高吸収域を認めることも多い。画像からこれらは読み取れない。
5→画像からは、脳腫瘍を示す脳内占拠病変は認められない。