令和4年度(第58回)理学療法士国家試験問題

第58回国家試験 午前1

Daniels らの徒手筋力テストで股関節外転の段階 3 の測定をする際、図のような代償がみられた。
代償動作を生じさせている筋はどれか。2つ選べ。

第58回国家試験 午前2

立位姿勢から膝関節を屈曲し、体幹を前傾させて静止した姿勢を図に示す。 床反力ベクトルの作用線の向きが正しいのはどれか。 ただし、矢印は力の向き、点線はその延長線を示す。

第58回国家試験 午前3

82 歳の女性。高血圧と糖尿病の治療を長期にわたり行っている。徐々に歩行障害がみられるようになり、転倒することが多くなった。頭部 MRI の FLAIR 像(別 冊No. 1)を別に示す。画像所見で考えられるのはどれか。

第58回国家試験 午前4

NICU に入院中の低出生体重児。在胎週数 30 週。腹臥位での姿勢を図に示す。 この児に対するポジショニングとして適切な肢位はどれか。 2つ選べ。

第58回国家試験 午前5

66 歳の男性。左下腿切断。30 年前からの 2 型糖尿病で左下肢の閉塞性動脈硬化 症のため切断し、下腿義足を製作した。この下腿義足ソケットの種類はどれか。

第58回国家試験 午前6

A から照射される極超短波の強度は B の何 % か。ただし、cos 30°= 0.866 とする。 なお、 小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第 2 位を四捨五入すること。

第58回国家試験 午前7

両眼を強く閉眼するよう指示したところ、左側の兎眼が認められた。 同じ脳神経の障害で生じる症状はどれか。

第58回国家試験 午前8

53 歳の女性。自転車走行中に転倒受傷し、鎖骨骨幹部骨折に対して観血的整復 固定術が施行された。術後のエックス線写真(別冊No. 2)を別に示す。術後翌日の患側の理学療法で正しいのはどれか。

第58回国家試験 午前9

55 歳の女性。趣味でジョギングを行っている。変形性膝関節症に対して手術療法が行われた。術後のエックス線写真(別冊No. 3)を別に示す。術後の理学療法で正しいのはどれか。

第58回国家試験 午前10

60 歳の女性。図のような状態で右中指の使いづらさを訴え受診した。自動関節 可動域角度は、DIP 屈曲 45°、伸展 30°、PIP 屈曲 90°、伸展-45°、MP 屈曲 80°、 伸展 0 °であった。この指の変形はどれか。

第58回国家試験 午前11

頸髄損傷者の起き上がり動作を図に示す。Zancolli の四肢麻痺上肢機能分類における最も上位の機能残存レベルはどれか。

第58回国家試験 午前12

5 歳 6 か月の男児。脳性麻痺。歩行補助具を用いず屋外歩行が可能であるが、階段昇降時は手すりを必要とする。GMFCS のレベルはどれか。

第58回国家試験 午前13

80 歳の男性。両膝痛のため、自宅内で自走用標準型車椅子を使用することと なったが、廊下幅が狭く、方向転換ができないと相談があった。現在使用している車椅子で 180 度方向転換が可能となる最小の廊下幅は何 cm か。 ただし、使用する車椅子は全幅 70 cm、全長 120 cm とする。

第58回国家試験 午前14

42 歳の女性。 3 か月前に手足がしびれるようになり、 1 か月前から手足の脱力を自覚した。神経内科を受診し慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーと診断され、 ステロイド療法が開始された。筋電図検査所見として正しいのはどれか。

第58回国家試験 午前15

67 歳の男性。Parkinson 病。 発症後 5 年経過。Hoehn&Yahr の重症度分類ステージIII。四肢に中等度の筋強剛を認めるが、筋力や関節可動域に明らかな問題はない。歩行場面では、開始後しばらくして小刻み歩行で小走りとなり、会話しながらだとそれが顕著となる。腰掛けるために椅子に近づくと、すくみ足がみられる。この患者の歩行障害への対応で適切なのはどれか。

第58回国家試験 午前16

80 歳の女性。左片麻痺。夫と自宅で 2 人暮らし。ベッドから車椅子への移乗は 夫に手を添えてもらう程度で可能だが、車椅子からベッドへの移乗では立ち上がる 際に腰を引き上げてもらう。
FIM の移乗動作は何点か。

第58回国家試験 午前17

75 歳の男性。 2 型糖尿病でインスリン療法中。腎症、高血圧症および増殖前網 膜症を合併しており、週 3 回血液透析と理学療法のため外来通院している。運動療法で正しいのはどれか。

第58回国家試験 午前18

78 歳の男性。COPD によるII型呼吸不全。安静時および運動時に 1 L/分の在宅 酸素療法を導入している。理学療法士による患者指導として正しいのはどれか。

第58回国家試験 午前19

68 歳の女性。NYHA 心機能分類 class IIIの僧帽弁閉鎖不全症に対して経皮的僧帽弁形成術を受け、術後経過良好で退院することになった。退院時の運動機能評価として適切なのはどれか。

第58回国家試験 午前20

74 歳の女性。変形性膝関節症に対して人工膝関節全置換術が行われた。術後に使用する CPM 装置で正しいのはどれか。