令和3年度(第57回)理学療法士国家試験問題

第57回国家試験 午前1

47歳の女性。抗リン脂質抗体症候群の既往がある。右変形性膝関節症に対して高位脛骨骨切り術を3日前に受けた。右大腿部から足部まで発赤を伴う腫脹を認め、Homans徴候陽性である。術後に実施した主な血液検査の結果を表に示す。
術後の合併症として考えられるのはどれか。

第57回国家試験 午前2

74歳の女性。左片麻痺。Brunnstrom法ステージ上肢Ⅱ、下肢Ⅲ。患側の筋緊張は低く、随意的な筋収縮もわずかにみられる程度である。平行棒内立位は中等度介助が必要で、左下肢は膝伸展位を保持することが困難で、体重をかけると膝折れが生じる。
診療録の問題指向型医療記録の記載でassessment(評価)はどれか。

第57回国家試験 午前3

心電図を下に示す。
心房粗動はどれか。

第57回国家試験 午前4

関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)で正しいのはどれか。2つ選べ。

第57回国家試験 午前5

Danielsらの徒手筋力テストによる頸筋・体幹筋のテストで正しいのはどれか。

第57回国家試験 午前6

78 歳の男性。脳梗塞。左顔面神経麻痺および右片麻痺を呈する。頭部 MRI の拡散強調像(別冊No. 2)を別に示す。
梗塞巣として考えられるのはどれか。

第57回国家試験 午前7

28 歳の男性。脊髄完全損傷。両側に長下肢装具を使用し、平行棒内歩行練習を行っている。歩行パターンを図に示す。
機能残存レベルはどれか。

第57回国家試験 午前8

52 歳の女性。踏み台から転落して左踵骨骨折を受傷し、手術が行われた。術後翌日の単純エックス線写真(別冊No. 3)を別に示す。
この患者に対する運動療法で正しいのはどれか。

第57回国家試験 午前9

18 歳の女子。動作時の足底部の痛みを訴えた。足底腱膜炎の診断で超音波治療を行う。
正しいのはどれか。(改)

第57回国家試験 午前10

右側の靴型装具の補正と効果の組合せで正しいのはどれか。

第57回国家試験 午前11

75歳の男性。糖尿病により右下腿切断。義足歩行練習時に右膝の膝折れを起こしそうな不安定感を訴えた。
考えられる原因はどれか。2つ選べ。

第57回国家試験 午前12

図の前腕と手を支える肘関節屈筋の力Fはどれか。
ただし、Cos45°=0.71とする。

第57回国家試験 午前13

76歳の女性。脛骨高原骨折。転倒して受傷し、人工骨を用いた手術を施行された。術後のエックス線写真(別冊No.4)を別に示す。
術後の理学療法で正しいのはどれか。

第57回国家試験 午前14

13 歳の男子。7歳から野球を始め、中学生から投手となった。投球動作中に右肘に痛みを感じるようになり、病院を受診した。理学療法評価時、肘関節の外反ストレステストを実施したところ、肘関節の内側に疼痛が誘発された。
痛みが出現する動作はどれか。

第57回国家試験 午前15

脊髄損傷患者のトランスファーボードを用いたベッドから車椅子への移乗動作を図に示す。
この動作を獲得目標とする機能残存レベルはどれか。

第57回国家試験 午前16

12 歳の男児。脳性麻痺痙直型両麻痺。GMFCS レベルⅢで、立位では図のような姿勢を示す。
治療方針として優先されるのはどれか。

第57回国家試験 午前17

次の文により 17、18 の問いに答えよ。
65 歳の男性。間質性肺炎。労作時呼吸困難、咳を主訴に来院した。3年前から歩行時の呼吸困難が増悪した。1か月前から咳、労作時の呼吸困難の悪化を認め入院となった。入院時、心電図は洞調律。血液検査では CRP 3.1 mg/dL (基準値:0.3mg/dL 未満)、KL-6 790 U/mL(基準値 500 U/mL 未満)であった。
理学療法評価では、mMRC 息切れスケールはグレード3。筋力は MMT 上下肢4、6分間歩行テストは 200 m であった。胸部 CT(別冊No. 5)を別に示す。
この患者の胸部CTとして最も可能性が高いのはどれか。

第57回国家試験 午前18

全身持久力トレーニングを行う場合、トレーニングを中止すべき状態はどれか。2つ選べ。
トレーニング前の所見は、血圧 120/65 mmHg、心拍数 85/分、呼吸数 19 回/分、SpO2 96 %、修正 Borg Scale3であった。

第57回国家試験 午前19

50 歳の男性。会社の健康診断で尿糖陽性を指摘され、受診した。入院時、身長175 cm、体重 85 kg。脈拍 75/分、血圧 165/86 mmHg。両側足関節の振動覚は鈍麻。血液生化学所見では、空腹時血糖 385 mg/dL(基 準 値 65〜109 mg/dL)、HbA1c 8.6 %(基準値 4.6〜6.2 %)、トリグリセリド362mg/dL (基準値 30〜150mg/dL)、LDL コレステロール 128 mg/dL(基準値 70〜139 mg/dL)であった。尿検査でケトン体陰性であった。入院後、食事療法と薬物療法が開始されている。
運動療法開始時に必要な条件はどれか。

第57回国家試験 午前20

75 歳の男性。3年前に Parkinson 病を発症。Hoehn&Yahr の重症度分類ステージⅢ。3か月前からトイレ前で小刻み歩行を生じるほか、歩行や立ち座りが不安定となり、屋内移動で妻の介助が必要となった。現在、妻とマンションで2人暮らしである。
自宅の住環境整備で適切でないのはどれか。