1→複視は椎骨脳底動脈系の血流障害によって発生します。この動脈系は脳幹と小脳を給血し、これらの部位が影響を受けると眼球の制御が乱れ、複視を引き起こすことがあります。
2→運動失調も椎骨脳底動脈系の障害により起こります。特に、この動脈系が小脳を給血しているため、血流障害が生じると、小脳の制御する運動の調整やバランスが乱れ、運動失調を引き起こします。
3→Broca失語は、大脳の前頭葉に存在するBroca領域の機能障害により発生します。この領域は内頸動脈系により給血されますので、椎骨脳底動脈系の血流障害によるものではありません。
4→一過性黒内障は、眼圧の上昇により視神経が障害を受ける状態で、脳血管の血流障害とは直接的に関連していません。
5→半側空間無視は、大脳の頭頂葉に損傷があるときに観察され、特に右半球の障害時に顕著になります。頭頂葉は内頸動脈系により給血されるため、椎骨脳底動脈系の障害とは直接関係がありません。