1→股関節の参考可動域は、屈曲125°、伸展15°、外転45°、内転20°であり、本症例では、伸展、外転制限が顕著であることがわかる。その中でも歩行に大きく影響するのは股関節の伸展であり、伸展制限があることで、十分な蹴り出しができず、右立脚相が短縮する。
2→腰椎を前弯させることで、右股関節の伸展制限を代償しようとするため、腰椎の前弯は増大する。
3→伸び上がり歩行は膝関節屈曲制限や足関節背屈制限などにより歩行時のトゥクリアランス獲得のために起こりやすい。
4→上肢の振り幅の増加は、下肢の推進力が低下している場合に起こる。
5→左Trendelenburg徴候は、左中殿筋筋力低下や左股関節の外転制限でみられるものであり、本症例で示されているのは右股関節の可動域制限であることから不適切である。