78 歳の男性。脳梗塞。左顔面神経麻痺および右片麻痺を呈する。頭部 MRI の拡散強調像(別冊No. 2)を別に示す。
梗塞巣として考えられるのはどれか。
1→①の図は放線冠レベルにおける左ラクナ梗塞である。右片麻痺は呈するが左顔面神経麻痺は呈さないため不適切である。
2→②の図は左視床梗塞である。右片麻痺と言語障害が特徴である。本症例でみられる左顔面神経麻痺は見られないため不適切である。
3→③の図は第4脳室部における梗塞である。顔面神経の核は橋に存在しており第4脳室における梗塞では生じないため不適切である。
4→④の図は左橋梗塞である。顔面神経の核は橋に存在しているため、本症例の右片麻痺と左顔面神経麻痺が生じる。よって選択肢として適切である。
5→⑤の図は下小脳脚部における梗塞である。この部位での梗塞は運動失調を特徴としており本症例でみられる顔面神経麻痺は見られないため不適切である。