56歳の男性。発症時に明らかな運動麻痺はないが、歩くとすぐによろけて物につかまっていないと立っていられなくなり、頭部CT検査で脳出血と診断された。頭部CT画像を別に示す。この患者の頭部CT画像として最も可能性が高いのはどれか。
1→CT画像は橋レベルの断面図である。小脳に高吸収域が見られ、小脳出血ある事が分かる。本症例の特徴として、「歩くとすぐによろけて物につかまっていないと立っていられない」といった点がある。小脳は体のバランスを取る部位なので、病変があるとバランス障害やめまいが出現する。
2→CT画像は基底核中脳レベルの断面図である。右頭頂葉から側頭葉に高吸収域が見られる。記憶や感情を生み出す部位なので、病変があると高次脳機能障害が出現しやすい。本症例の特徴とは合わない。
3→CT画像は視床レベルでの断面図である。左視床に高吸収域が見られる。初期に意識障害や顔面を含む体側の片麻痺、感覚障害の症状が見られる。本症例の特徴とは合わない。
4→CT画像は視床レベルでの断面図である。右被殻に高吸収域が見られる。初期に意識障害や共同偏視、顔面を含む片麻痺、感覚障害、対側の同名半盲の症状が見られる本症例の特徴とは合わない。
5→CT画像は大脳皮質レベルでの断面図である。左頭頂葉に高吸収域が見られる。頭痛や片麻痺、感覚障害、半盲の症状が見られる。本症例の特徴とは合わない。